お客が入り始め、活気を帯び始めた金羊亭、まだ空きも目立つテーブル席のそこかしこで、冒険者たちが冒険談義に花を咲かせている。
(っと、突然酒場に踊り込む珍妙な影。)

身の丈約2メチル、頭頂部からは角、爛々とした輝きをたたえるギョロリとした目に耳まで裂けた口には剣呑な乱杭歯、筋骨隆々たる赤銅色の上半身は裸、腰には黄色地に黒の縞の皮の腰巻き、手には黒光りする身の丈ほどの金属製の棍棒。
東方ではメジャーなモンスターのレッドスキンオーガー(赤鬼)か!



赤鬼(以降鬼)「ぐおぉぉーー!」


<<ここでガイウスの投石、避けて再び立ち上がる赤鬼>>

一瞬静寂に包まれる金羊亭…
そしてその静寂を破るそこかしこからの失笑?!

…よく見れば厳つい顔は陶器製のお面?
鬼「お面じゃなくて、鬼瓦って言う鬼の顔を模した魔除けの飾りね」
肌をさらけ出した隆々たる上半身も何だか偽物っぽい…
鬼「はっはっはは、特殊防弾肉襦袢マッスルさん、対福豆仕様赤鬼バージョンです。スリングショットで福豆ぶつけられても、これなら痛クナーイ♪」
えーっと、じゃあ腰に巻いてるみすぼらしいモノは、虎の毛皮のつもり?(汗)
鬼「虎の毛皮持ってる知り合いに貸してくれるよう頼んだら、すげなく断られたので、何とか自作したのですが、駄目でしょうか?」
駄目ですね。(即答。)



何だか生温かい視線も飛び交う中、ほろ酔い気分の冒険者達の中からチラホラと福升に入れた節分豆を手に
客「福は内!」」」」
パラパラと節分豆が不細工な自称赤鬼にむかって投げつけられる。
客「鬼は」」」」
客とルフィーア「外!」」」ファイヤーボール!!」
轟音と爆煙に包まれる自称赤鬼。
鬼「ギャァニャーー!」
酒場に響く情けない悲鳴。
鬼「った」
た?
鬼「対魔法対策を忘れてた」(ガクッ)
…返事がない、ただの生ゴミのようだ。
生「…」
街中での魔法の使用は法律により禁止されてます。よい子のみなさまは絶対に真似しないでね。
お後がよろしいようで。




メイル
メイル3
節分テーブル2
ムリエの処へ
メリエの処へ
外に出る