プロロ-グ……
『玉座の間』
(by ゆうり)
とても広い部屋、玉座に座る男性と傍らに佇む女性の影がある。
闇が深くその顔を伺う事は出来ない…
女「…彦星は天の許へ戻ったようですね」
男「…ふむ。聞きたくはないが…」
女「天を得る為に向かわせた2個中隊、うち生還者は26名。無傷の者は0」
男「老人共に進言しなかったのか?」
女「必要ありませんでしょう?」
男「ふっ、確かに…な」闇に沈黙が続く…
男「機を見て彦星と合流して貰えないか?」
女「ですが姫様が…」
男「一緒に行けばよかろう?…ふっ、煉獄の騎士の言葉とは思えんな」
その瞬間、部屋の温度が一気に上昇した。熱さで肌がひりひりする。カ-テンでも燃えだしたのか焦げ臭い。
男「これは禁句だったな。すまんな」温度が下がっていく…
女「…ふぅ。分かりました…例のものは予定通り開始しますので」
返事を待たず出口へと向かった女性の足が止まる。
女「地は楽なる安らぎを与え、水は喜びを包み癒す…火は深淵なる怒りを逆巻き、風はその哀しみを運ぶ…では光は…」
女性が振り返る。うっすら差し込みだした日の光に女性が映し出される。長い髪。その顔には穏やかな微笑み…
女「光は私たちに何を見せてくれるのでしょうか」そう言うと女性は部屋を出ていった。
男「闇の中の種族である筈の我々が光に何を見る…か。
ふっ…それにしても、良い顔をするようになったな。それも姫のお陰か?」
…そして8年後…彦星、天、黒炎の魔女、そして銀(シロガネ)の集う地で壊れた時計が再び刻を刻みだす。
それぞれの想いをのせて…
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