<第5回>
旅先で立ち寄った村で引き受けた怪物退治。森に向かったソルレヲンとロリエーンの前に立ちはだかったのは、小屋すら包めそうな巨大な蜘蛛だった!
ソル「たあっ!」
渾身の力で斬りつけるソルレヲン。しかし巨大蜘蛛は鋼のように硬く、刃は弾かれてしまいます。
ロリ「なにやってるのよ!見た目からして硬そうなやつなんだから、ちゃんと節とか狙いなさいよね!」
ソル「狙ってますけど、コイツ動きが速いんで当たらないんですって!」
ロリ「言い訳無用!当たる当たらないじゃなくて『当てる』の!」
ソル「相変わらず無茶言うなぁ、ロリエーン……だけど、やるしかないか!」
そういってソルレヲンが相手の動きを見極めようと構えた時、巨大蜘蛛が口から『闇』を吐きだしました。漆黒の霧に包み込まれたようにまったく何も見えません。
ロリ「ソルレヲン!?」
相手の思わぬ行動に声をあげるロリエーン。
ソル「ぐっ!」
まったく何も見えない状態で、それでもソルレヲンはなんとか巨大蜘蛛の攻撃を防いでいます。ですが、完全には防ぐことが出来きません。
ロリ「なにやってるのよ!目隠し弓矢回避特訓を思い出しなさい!」
ソル「うあ思い出したくないですそれ」
ロリエーンの叱咤にゲンナリと答えながらもソルレヲンの体は特訓を思い出したように巨大蜘蛛の攻撃を避けだしました。
ソル「――見切った!」
何度目かの攻撃を避け、カウンターで振るった剣がキレイに節の隙間に当たり、ついに足の一本を斬り飛ばしました!
ロリ「一気にいっちゃえソルレヲン!」
ソル「らぢゃー!」
勢いにのり剣を振るうソルレヲン。そして、ついに巨大蜘蛛にトドメを刺したのでした。
巨大蜘蛛を退治した二人は村へ報告に戻りました。村人たちはとても驚き、またそれ以上に喜びました。
ソル「村の人たちに喜んでもらえて良かったですね、ロリエーン」
ロリ「夜の宴会楽しかったわ〜♪」
村を発ち、そんな風に話をしていた二人のところに魔法の伝書鳩が飛んできました。手紙はロリエーン宛です。
ロリ「なにかしら?って、水着女王コンテストの中間発表じゃない」
ソル「もうそんな時期なんですね」
しかし、そんなソルレヲンの声など聞こえない様子でロリエーンは肩を震わせています。
ロリ「何で私が1位じゃないのよ!ソルレヲン!あんたがこんな旅に連れだすからよ!間違いないわ!」
ソル「旅に連れていけって言ったのはロリエーンじゃないですか!?」
ロリ「問答無用!ギガフレイム!!」
放たれた炎に、悲鳴ごと呑み込まれるソルレヲン。
ロリ「はっ!こうしちゃいられないわ。早く金羊亭に帰らなくちゃ!」
そういって走り去るロリエーン。後には燃えカスのように転がるソルレヲンの姿が残されていました。
〜お・し・ま・い〜
第4回
戻る
水晶球へ
テーブル席へ
メリエの処へ
外に出る