<第3回>
ホリィアックスを泉の精霊から返してもらうため、“影苔”についてロリエーンから話を聞いたディアーネとソルレヲンはオークの大集落があるという危険な森へと挑むこととなったのでした。
果たして、二人は無事に“影苔”を手に入れることが出来るでしょうか?
ソル「もしもオークの兵隊にでも見つかったらおしまいですよ?何か作戦でもあるんですか?」
ディ「見つからないようにこっそり進むしかないんじゃない?あと、見つかりそうになったら隠れてやり過ごすの」
ソル「(…ディアーネってこんなに考えなしだったっけ?)」
ディ「なによ?何か言いたいことがあるの?」
ソル「言いたいことというか、とりあえずオークの生活痕とか足跡なんかを探しながら行きましょう。その方が集落からは離れやすいですし」
ディ「おお!ソルレヲンって賢いねー」
ソル「……褒め言葉、ですよね。ありがとうございます」
微妙に複雑な思いをぐっと飲み込みソルレヲンは周囲を探ります。
ディ「ソルレヲンって戦士よね?そのわりになんか探索している姿が妙にさまになっているっていうか、慣れてるわね」
ソル「頻繁にロリエーンに振り回されていますからねー。気がついたら身に付いていましたよ」
ディ「そ、そうなんだ。でもまあ、役に立ってるんだから良かったじゃない?」
ソル「ですねー。そう思わないとやってられませんし」
ディ「(なんか可哀相っていうかご愁傷様っていうか……)」
そんなやりとりをしつつ、二人は慎重に森を進んでいきました。幸運に恵まれたのかオークに出会うことなく、やや開けたところへとたどり着きました。
ディ「見て、あの真っ黒な岩。あれがロリエーンが言ってた黒岩じゃないかしら?」
ソル「日だまりの中の大きな真っ黒い岩…間違いなさそうですね。早速周りを探しましょう」
ディ「確か、影の中にひっそりと生える黒灰色の苔…って言ってたわよね」
ソル「はい。でも、日だまりの中に影らしい影なんてありませんよ?」
ディ「そうなのよね。不自然なくらい岩の周りに影が出来てない……」
ソル「…あ、そういうことか。ありますよ、影」
そういうと、ソルレヲンは岩へと近づいていきました。その様子を見守っていたディアーネも、彼が今のそばでしゃがむのを見てピンときました。
ディ「ああ、確かにそこなら影が出来てるわよね」
岩の根っこ(?)周りにわずかに出来ていた影。そこにわずかですが黒灰色の苔が生えていたのです。
ソル「ロリエーンが言ってた通りの苔ですね」
ディ「何とか無事に手に入れられたわね。早く泉の精霊のところへ持っていきましょう!」
“影苔”をついに手に入れたディアーネとソルレヲンは泉の精霊の元へと急ぎます。ディアーネは精霊からホリィアックスを返してもらえるのでしょうか?
続く…?