「もー!どうするんですかぁこれー!」
カウンターの上で、ウエイトレスさん達が困っています。
「チョット誰か!助けてー!」
転んで胸まで埋まった人達が困っています。
「ああ‥ワシの酒が」
「オレの酒がぁ」
コップに詰まったキャンディ。
シロップみたいに甘くなったお酒を、舐めてる人達。
「困ッテル人、イッパイー」
「放ッテ帰レナイヨネ?」
「責任とんにゃいと」
「むぅ‥妖精さん、又頼んでいいか」
「ナァニー?」
「ちょいと夜も遅ぇけど、街ん中廻って伝えてほしい‥金羊亭でキャンディ配ってる。世界中何処にも売ってねぇ特別な奴。
帽子よりでかい袋を持って来られたし。
明日には全部消えてるかも知れねぇ。以上★」
「OKー♪」
「解ッター☆」
妖精達は散り散りに飛んでいきました。
「さぁて、俺も上着に掬って行くか‥同胞の皆さんへの土産にすっかな」
「ほっといたら、全部くっついちゃう★」
「バラして片栗まぶしときゃいぃさ」
「あたしも、スカートに乗っけてお家に持ってこ」
「お前も上着脱ぐんだよ」
「にゃうー★まだお外、寒いのに」
ざくざくざく。
キャンディを掬って上着に集めます。お店のあちこちでも、上着やマントやフードの中に、皆がキャンディを詰めてます。
「しょぉがねぇなぁ‥」
「もぉ!」
「ったくよぉ」
皆がぶつぶつ言っていますが、キャンディが嫌いな人は、世の中に居ません。
と思います。
「タダイマー☆」
「呼ンデ来タヨー♪」
妖精達が戻ってきました。お店の外に、どやどやと、大勢の人達が集まって来ていました。
MARCY9
ミリ瑠誌亜
後の雛祭りテーブル
ムリエの処へ
メリエの処へ
外に出る