第5話(by カイト)

その晩、何の予兆もなく突然大噴火が起こった。
街のいたるところで地面が陥没し、爆破するかのように真っ赤に焼けた岩石を地表に噴出したのだ。
網の目のように広がる巨大な地割れ…。人々が爆破に吹き飛ばされ、地割れに落ち、火山弾と化した無数の岩石に容赦無くおしつぶされていった…。

ランは傷を負った子供達を両脇に抱え走り回っていた。

ラン「なんて酷い…許せねえ」

ニコは瓦礫に下半身を挟まれ動けないでいる少女を助けるため、瓦礫を取り省こうとするがびくともしない。少女は微かに手を動かし『助けて…』と、しかしニコの体力ではどうにもならない。ニコは辺りを見渡し
ニコ「ラーーン!助けて-」

ラン「よし!任せな」
ランは少女の脇に手を入れ
ラン「引っ張り出すから少しの我慢な。せ-の!…え?」
ところが思ったより軽い力で引き上げることができた。

ニコ「な、なんで…さっきまで、さっきまで生きて…」

軽いはずである。その少女には下半身がないのだから…瓦礫に挟まれたのではなく潰されたのだ。ニコに助けを求めたのを最後にこと切れたのであろう。ランはそのまま少女を抱き締め、ニコは肩を震わせ泣くのを堪える。

いったい何が起きたというのだ…。ランとニコは爆心地とも思える悲惨な場所で被災者を救出していた。
被害の中心には何かを噴き出した異次元のゲ-トの様な巨大な穴が…

一方ケイは、災害によって損なわれた荒地にいた。穴から湧き出たモノを追ってきたのだ。
ケイ「逃がさない」

しかし妙だ。神無の気配をずっと感じる…

<続く>

第4話
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