インターミッション:(by ゆうり)

夢を見た。
何度も繰り返し見る夢。
赤い世界。血の赤。
炎の赤…その中に私がいる。
そして目の前にもう1人、自分より少し小さい男の子。
その背中には8枚の銀色に輝く翼。
もう2度と見ることの叶わない姿。
いつも自分を見ていてくれる人…声を掛けようにも声が出ない。
ゆっくりと男の子が振り向く。
その顔は翼の輝きが逆光になって見えない。
そして夢の終わり…男の子の背中の翼が散って世界が銀色に覆われ…なかった。
拡がったのは黒。
身体にまとわりつくような嫌な空気。
闇が私達を呑み込んでいった。

目を覚ますと、そこは自分の部屋だった。
いつもの目覚めの日課…(ぼけぇ-…)…ふと気付く。
もう結構な時間の筈なのに外が明るい。
いや、赤い。街が、燃えていた。混乱と悲しみの念が次々と流れ込んでくる。(よく寝られてたな、私…)
そんな見当違いな事をまだ半眠りの頭で考えていた時、ある事に気が付いた。(あれ?お兄ちゃん…)無意識のうちに隣で寝ている筈の兄(低血圧)を探していたみたいだ…居ない。
その時ふと、夢の事を思い出した。いつもと違う夢。
黒く染まる世界。
嫌な空気。

何だか凄く嫌な予感がする。
急いでお兄ちゃんの現在地を特定…いた!
広場の方。
黒い気配のすぐ近く…(!)一瞬で眠気がとんだ。
嫌な予感が拡がっていく。自分でも分かる、混乱している。
こんな精神状態では低級な動物霊も使役できまい。
私が行っても無駄。
そんな気持ちとは逆に行かなければという感情が膨らんでいく…私はお兄ちゃんの気配のする方へ走りだした。
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