第6話(by カイト)
炎が行く手を阻み、突如として起こる地割れが人々を飲み込む。それでもランとニコは一人でも多くの国民を救おうと必死だった。
そこへ忍び寄る影…ヴゥ-ン!ヴゥ-ン!
ラン「ニコ、この音なんだ?」
ニコ「音?」
巨大スウォームだ! 背丈3メ-トル程の漆黒のスウォームが1体ゆらゆらと近づいてくる。脇を鼠が走り抜けようとした時、恐ろしい程の敏捷さで鼠を捕獲する。漆黒の渦に飲み込まれた鼠の姿は一瞬で見えなくなる。…狩りをしたのだ。
スウォームは立ち止まり上下の伸縮を繰り返す。まるで息づいているかのように…
ランとニコは戦闘スタイルにチェンジした。ランが一気に飛躍すると案の定、スウォームも上方に伸び上がりランに襲い掛る。
ラン「やっぱり! 動くものに反応したいらしい。ニコ頼む!」
ニコ「はい!」
ニコの放ったパワーボールがスウォームを封印。あっという間に石化してしまう。
が、2人は愕然とする。
ラン「おれたち、歓迎されてるみたいだぜ」
ニコ「…うれしくない」
いままでどこに隠れていたのだろう。2人は無数のスウォームに囲まれていた。そして黒ずんで動かなくなった鼠を見つめる少女に気づく。黄緑色した皮膚の少女に…
謎の少女は動かなくなった鼠を座り込んで観察していたが、すっと立ち上がり両手を広げる。一瞬スウォームがざわつき一斉に舞い上がる。上空で一つになったスウォームは巨大な渦を巻くと少女の体内に吸い込まれていった。
驚きの顔を見合わせる2人
ラン&ニコ「…………」
少女はその場に倒れ込んでいた。良く見ると全身に切傷を負っている。
ラン「何者だろ」
ニコ「スウォームに囲まれたときはやばかった…助けられたの?」
ラン「結果的にはな。それにしてもこの傷…」
少女の傷は戦闘によってできたものだ。ランは何か胸騒ぎを覚えるのだった…
<続く>
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