インターミッション・憐
(by ゆうり)

<時はしばし遡る>

…ウル郊外、破壊の手はまだここまでは届いていなかった。
窓から燃え盛る街を見る影ひとつ。

憐「嫌な気を発しよる。邪気につられて不要な輩が出てくるのも時間の問題か…」
顔をしかめ、そう呟いた後ろから声がかかる。

少年「レン姉ちゃん、独り言いいからさ、お話してよ」
少女「私も早く聞きた-い」

ここは孤児院である。街の中心から離れている為なかなか不便だが、今回はそれが幸いしたようだ。子供たちを振り返り、優しく答える。

憐「そうじゃな…今日の話は、わらわの国の昔話でなく、もっと向こうの国の話じゃ。ちと長いが黙って聞くのじゃぞ」
子供達「は-い」
そして憐の「昔話」は始まった……

「ずっと昔、おぬしらの知る名を持つ神も生まれる前じゃ。1人の神様がおった。
ある日神様は戯れで2人の天使を創った。世界で最も強く輝く天使と、その次に強く輝く天使。
しかし、こやつらは困ったことに神様の言うことを全く聞こうとせん。
じゃが神様の邪魔をしようとする気もない。
神様は、そやつらを無視して沢山の星を創ったんじゃ。…

星を創り終えた神様はどこへともなく行ってしもうた。指導者を失った星達は困った挙げ句、新しい神様を創ることにした。
ここから先に生まれるのが今この世界で信仰される神々じゃな…」

少女「ねぇ、お姉ちゃん。お星様はどうして天使様達を頼らなかったの?」比較的年長の少女が疑問を口にする。

憐「自分達の生まれに関わらぬ物じゃ。知る由もなかったのじゃろう。まぁ、皆が皆知らなかった訳でもないのじゃが…続けるぞ?」
「……新しい神様達の下で星達は輝いていた。新しい星が生まれ、古い星は死に…いくばくかの刻が流れた…
ある日、1つの星が新しい試みで1つの星を創った。出来たは良いがこの星、余りに強い光での、その光を浴びた周りの星が幾つか消えてしまう程じゃった。
流石に焦ったのじゃろう、もう殆ど全ての星に忘れられていた2人の天使に助けを求めたんじゃが、2番目の天使は協力することを嫌がって、どこかへ行ってしもうた。
1番目の天使は力を貸した。まず強い光の星を真っ二つにして、その片方を自分の懐に仕舞い込んだ。
それでもまだ強すぎる。
面倒臭がりの天使は半分になった星を更に砕いて近くにあった星に振り掛けた…これで光は耐えれる程度に納まったが、たまったものでないのが欠片を振り掛けられた星。
小さいのに強い光を持たされたからの、凄く不安定な星になってしもうた……」

憐「これが現在の太陽と月…って何故寝ておるか?…難し過ぎたかの」
溜息をつき、ふと外を見た憐の顔が歪む。
憐「あやつ、また無茶しよってからに…」
寝ている子供達を振り返り呟く。
憐「すまぬな、少し出てくるぞ…何時までたっても手のかかるお子さまめ」

窓から飛び立つ憐の顔には何かを慈しむような微笑が見えた…この昔話非常に重要ですよ?テスト出ます(意味不明)


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