『マインド・オブ・ダークネス
-シヴィルの運命(さだめ)-』
(by 女魔物使い ぱぁ-る)
エサランバルの森で起こった戦争で両親を失い、ディ-ン王立歌劇団団長ザウエルに引き取られて育ったエルフの少女、シヴィル
彼女の中には死の惨劇を見ることによって目覚める、もう1つの人格が封印されているのだった…シヴィルの運命の歯車は今、音を立てて回り始める!!
STAGE0:運命の始まり
シヴィル「……ひっく……えっく…」
(……やめておぅ…)
シヴ「…ひっく……パパぁ…ママぁ…、どこにいるんだおぅ……」
(……もう……やめておぅ…)
「……ィル-!」
シヴ「……!?…パパ?ママ?」
「シヴィル-!どこなの-?」
シヴ「パパ-!ママ-!!シヴィルはここだおぅ-! ここにいるんだおぅ-!!」
(……お願い…お願いだから……、シヴィルにその夢……見せないでおぅ……)
「シヴィル!」
「シヴィル!! 無事だったのか…よかった……」
シヴ「パパぁ…ひっく…ママぁ……」
シヴィルパパ「よしよし…よく頑張ったな」
シヴィルママ「さぁ、もう大丈夫よ早くここから逃げましょう…」
シヴ「うん、わかったおぅ…」
…ドスッ!
シヴママ「うっ!!」
…ドスドスドスッ!!!
シヴパパ「ぐぁっ!!」
シヴ「!!……パパ!!……ママ!!!!」
(いやだ!…いやだおぅ!! もうこれ以上こんな夢なんか見たくないんだおぅ!!!!)
シヴ「やだやだぁ-!!!死んじゃだめだおぅ-!!!!」
ママ「シ…ウ゛ィル……私…たち…に……構わず……逃げ…な……さい」
シヴ「やだぁ-!! パパとママといっしょじゃなきゃやだおぅ-!!!!」
パパ「パパ…たちの…ことは……どうでも…いい!! シヴィル……、お前…は…一刻も…早く…逃げて……生き延びるんだ!!!」
シヴ「やだったらやだぁ-!!!!」
ママ「私…は……あなた…みた…いな…子供…を…産めて……、本当…に……幸…せ……だ……っ……た………」
パパ「これ…からも……生き…て……幸せ…に……な……れ………」
シヴ「!!!!」
(……いや…)
シヴ「……いや……いや………」
(……いや……いや……いや……)
シヴ「……いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」シヴ「いやぁぁぁっ!!」
悪夢からいきなり目覚めた
見ると、彼女の額から大量の汗が吹きでている……
シヴ「はぁ…はぁ……あれ? ここは…シヴィルの……部屋?」
いかにも不思議そうな眼差しで周りを見渡すシヴィルだが、何度見てもそこは錬金術用の道具が置かれている、いつも見慣れた変わらない景色が広がっているだけだった
シヴ「……そっかぁ……もしかして、シヴィル…またあの夢を見たのかもしれないおぅ……」
シヴィルはそう言うと、ウ-ンと身体を伸ばして背伸びをした
部屋の窓のカ-テンからは、わずかながら心地よい朝の光が差し込んでいる
シヴ「いつまでもくよくよしてたって仕方がないおぅ。さっさと早く起きて、今日も錬金術に励むんだおぅ-♪」
ベッドから軽快に飛び起き、鼻歌を口ずさみながら着替えをするシヴィルだが、まだこの後に起こる悲劇を知るよしもなかった
あの時見た夢が、再び現実となって繰り返されるとは知らずに……
<続く>
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