(息抜きにコントでも)戯曲NG集“Dissonance"篇
―不協和音だらけの僕ら―
by 戯言師 皐月

#0
アルトは街外れの花屋に向かった。小さい店だが、異国の珍しい植物も扱うところだ。
そこには先客がいた。
……手ぶらで。
「本日定休日、だそうですよ?」
「orz」
「…どうします?」
「明日にしよう、かな?」
「ふふ…影のある出てき方しておいて…格好悪いことですね……クスクスクス」
「(ガクガクブルブル)」
「神無さん、素が出てます素が。ほらもうターマラちゃん怯えちゃってますよ?」#1
目の前が開け、そこに花壇に囲まれた小さな小屋が姿を現わした。ここに泊めてもらえないだろうか?交渉してみよう。木製の扉に据え付けられた小さなノブに手を伸ばす。
《がちゃがちゃ…ばぎっ》
「…ぁ」
ノブが砕けた。
きぃ-という何ともアレな音を立ててゆっくりと開いた先には、茫然とする少女の姿…
「やり直しですね」
「…すまん」#1―ていく2
木製の扉の前に立つ。
そうだ、いきなり扉を開けるなど失礼ではないか?
ノックしてみよう。
《ばごっ!》
「…ぁ?」
穴が空いた。
恐る恐るその穴から中を覗き込むと、満面の笑みを浮かべた少女の姿…
「あは-」
怖い。本気怖い。
「すまん!」
「私が開けますから、アルトくんはもう何もしないでくださいね」
「…はい」#1―ていく3
木製の扉の前に立つ。
と、扉が開かれた。
面白いくらい。勢い良く。
普段なら躱せる筈の、ぐんぐんと迫りくるそれを俺は他人事のように眺めていた。
《ばごぉっ!》
「…あれ?」
「………」
何が起こったのかイマイチ把握していない感じの彼女と、鼻頭をほんのり赤くした俺の視線が交錯する。
「あは-」
「可愛くしても駄目」
「ごめんなさ…むっ!」
謝罪の途中で言葉を切った彼女が睨んだ先には、やってらんねぇオ-ラを放出しまくりながら立ち去るセラの姿があった。

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