『王劇新春隠し芸大会』
(by ヒュークス)
スポットライトが団長を照らしだす
ザウエル「紳士淑女の皆様新年早々にお越し頂きありがとうございます。さてさて、新春公演の幕開けです。思う存分楽しんで行って下さい」
スポットライトが消え、ナレーションが流れる
スラスト「それでは、剣(ツルギ)とガイデルによる巌流島対決コントの始まりです」
ナレーションが終り、幕が上がる
波の音が響く巌流島のセットに佇む剣扮する佐々木小次郎
剣「遅いっ! 武蔵はまだかっ!?」
その時、舞台の袖から舟に乗ってガイデル扮する宮本武蔵が登場する
ガイデル「いや-、遅れ申した。少々寝坊したでござるよ」
剣「寝坊かいっ!? 違うでしょ? これは兵法の内で、ワザと遅れて相手の平常心を乱すんでしょう!?」
ガイデル「お-、それでござる」
剣「ハァ…、もういい。勝負だ、武蔵!!」
と言って刀を抜き、鞘を投げ捨てる
ガイデル「フッ、剣殿敗れたり!」
剣「へ!?」
ガイデル「居合いの使い手たる者が鞘を捨てるとは何事かっ!」
剣「いや、今は佐々木小次郎だし…。居合いの使い手じゃないし…」
ガイデル「あ、そうでござった。では改めて…。佐々木小次郎敗れたり!、勝って納めるべき鞘を捨てるとは勝つ意志がないと言う事!」剣「くっ! 貴様を倒してからゆっくり拾うてやるわっ!!」
砂浜を走りだす剣。それに合わせて、波打ち際を走るガイデル
ガイデル「トリャ-ッ!」
ガイデルは飛び上がり、木刀を剣に叩きつける剣「キェ-ッ!」
燕返しで迎え撃とうとするが、太陽に目が眩む
剣「くぅ…」
脳天に木刀を叩き込まれ倒れる剣
剣「やるな…武蔵…(バタッ)」
頭から血を流し倒れる剣とそれを見下ろすガイデル。そして、只、波の音が響く中、幕が下り、ナレーションが流れる
スラスト「以上で巌流島対決コントを終了致します。ここで10分の休憩に入らせて頂きます」
幕裏では…
頭を押さえながら、立ち上がる剣
剣「イテテ…。ガイデルさん、少しは手加減して下さいよ-」
ガイデル「いや-、すまないでござる。つい、本気になってしまったでござる」
剣「まったく。あっ!本当に血がでてるし…」
シグ「お疲れ-。凄かったな」
ラン「真に迫ってたよね-」
剣「冗談じゃなく、血が出たよ」
ケイ「あらま、本当。舞さ-ん!旦那が怪我したよ-」
舞「は-い」
剣「誰が旦那だ」
スラスト「い-じゃん、似た様な物だし」
剣「たくっ…。舞も返事するなよ」
舞「だって嬉しかったし…」
シグ達が暖かく見守る
ザウエル「お-い、次の出し物の準備を手伝ってくれ」
一同「は-い」
〈終幕〉
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