『愛の行方(バレンタイン編)』
(by ヒュークス)
男子更衣室にて…
オーバー「なぁ、今年のチョコは誰が一番貰うと思う?」
クラフル「言うまでもなく、アルト殿でしょうな」
アルト&オーバー以外「だよな-」
オーバー「くっそ-!絶対勝ってやるぅ」
アルト&オーバー以外「ムリ、ムリ」
アルト「アハハ…(汗)」
ニコ「団長も人気あるよね」
シグ「そ-なんだよなぁ。謎だ…」
スィン「と、言う事は…。今年も馬車数台だな(汗)」
一同「(苦笑)」
剣「それじゃ、お先」
ガイデル「お疲れ様でござる」
厨房の前を通りかかると…
神無「剣様、申し訳ありませんが買い出しをお願いできませんか?」
剣「い-ですよ」
神無「買う物はここに書いてありますので。宜しくお願いします」
買い出しを終え、劇場に戻る途中、舞を見かける
声をかけようとしたが、英雄アルシャルクと楽しげに話していた為思わず物影に隠れてしまう剣
2人が見えなくなってから、再び歩きだす
剣「何話していたんだ?て言うか、なんで隠れたんだ、俺は?」
ザウエル「何だ剣、悩み事か?」
剣「団長。ま、ちょっとな…」
ザウ「いい雰囲気だったからな-、舞さんとアルシャルク」
剣「!!!見てたのか!?」
ザウ「ぼ-っとしてると、舞さんをとられるぞ」
剣「そんな事…」
ザウ「何も行動しなければ、いずれそ-なるさ」
剣「くっ…」
そして、ザウエルは団長室へ去っていった
厨房にいる神無に荷物を渡し、部屋に戻る前に、舞の部屋をノックする
舞「はい、どなたですか?」
剣「舞、俺だ。ちょっと良いか?」
舞「剣兄様!?な、何か急用ですか?」
剣「いや…」
舞「で、でしたら今は手が放せませんので、後にして戴けませんか?」
剣「あ、あぁ…」
トボトボと引き返す
スラスト「どした、剣? ションボリとして。悩み事なら相談に乗るよ」
剣「オネニ-サン…。なんか最近舞に避けられている様な気がして」
スラスト「あ、その件か…。悪い、それには答えられないんだ。とにかく、明日になれば解るから」
剣「え??」
スラスト「ホント悪い!それじゃ」
と、去っていくスラスト。一人残された剣は更に悩んでしまう
シリウス「やっぱり愛想尽かされたんじゃないのか?」
剣「ドキィッ!シ、シリウスさん…いつの間に!?」
シリウス「さっきから…。それよりも、お前がな-んもアクション起こさないから、他の男に恋したんじゃないか?」
剣「ま、まさかぁ」
シリウス「わからんぞ-」
剣「……」
シリウス「さて、明日はど-なるかなぁ?」
煽るだけ煽って去るシリウス。
いよいよ、バレンタインデ-当日…
宅配人「王立歌劇団様、お届け物で-す」
スラスト「は-い」
荷物を受け取る
スラスト「うわ!相変わらず凄い数だな」
ガイデル「ほぉ、噂には聞いていたでござるが、凄いでござるな」
スラスト「殆どが、アルトとザウ宛てだよ」
一方…
フィアラ「はい、お兄ちゃん」
シグ「お、サンキュー」
そこに割り込むアリル
アリル「シグ様ぁ!私のチョコを貰って下さい!!」
周りがバレンタイン一色に染まる中、一向に舞からチョコを貰えず苛々する剣。その様子を見ていたザウエルは、
ザウ「ふっ、若いなぁ。俺も昔は…」
なにやら、意味深な事を呟く
舞「すみません、ちょっと出掛けてきます」
憐「例の英雄殿の所ぢゃな」
舞「はい、行ってきます」
それを聞き、こっそりと後をつけ、アルシャルクにチョコを渡す所を見た剣は、ショックを受けてしまう。
剣「アルシャルク勝負だっ!」
アルシャルク「いったい何ですか、いきなり」
剣「問答無用!」
舞「剣兄様!?どうして此処に?」
ザウ「あ-あ、とうとうキレたか」
スラスト「あんたらが煽るからだろうが…」
シリウス「いつもの冗談だったんだが…、まさか、ホントになるとは」
突然現れるザウエル達
舞「あの、皆さん。これは、いったい?」
スラスト「舞がアルシャルクにチョコ渡したのを見て、勘違いしたんだろ。こいつらが散々煽っていたからなぁ」
舞「えっ!?」
ザウ「妙に嬉しそうだな」
シリウス「それより止めなくてい-のか?斬り合いが始まるぞ」
舞「キャーッ!」
慌てて止めに入る舞
舞「止めて下さい、剣兄様!誤解なんですっ!」
剣「何がだっ!?」
舞「アルシャルク様には、ストーカーなファンに言い寄られて困っていた所を助けて戴いただけなんです」
剣「へ?そ-なの?」
アルシャルク「そうです。今度からは、あなたがちゃんと守ってあげて下さい」
剣「早合点して、ご迷惑を掛けました」
アルシャルク「いえ、構いませんよ、それでは。そうそう、チョコ有り難く戴きます」
舞「はい、ありがとうございました」
剣「重ね重ね申し訳無い」
手を振りながら、アルシャルクは去っていった
ザウ「まったく、慌て者だな」
スラスト「元はと言えば、あんたらが余計な事を吹き込んだからだろうが」
剣「そ-言えば、そ-だ」
シリウス「まぁ、落ち着け。まるっきり嘘ではないだろう?」
剣「う゛、確かに…」
舞「もぅ剣兄様ったら。後でこっそり渡そうと思ったのですが…。はい」
頬を染めながら剣の首にマフラーを巻く舞
剣「これは?」
舞「一応手編みですよ」
ザウ「良かったな。さて、帰ろうか」
劇場に帰ってきた剣達
シグ「お帰り。何か、良い事でもあったか?」
剣「舞にバレンタインプレゼントを貰えた…」
シグ「そうか」
アリル「どうやら、少し進展したようですね」
フィアラ「良かったね、お兄ちゃん」
シグ「まったく、周りの方がヤキモキしたよ」
その日の王劇は皆がホッとし、優しい空気に満たされた…
<終劇>
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