『旅は道連れ世は情け』
第四話「宴」
(by 戦士 ヒュ-クスさん)

アミアン「やっと着いた-!」
ティアリース「長かったね」
スィン「ああ、長かった…ウルの街を旅立って苦節ン十年。俺達はやっと辿り着いた…」
クラフル「さて、村長殿に挨拶をして舞台設置するかの」
ティア「そうしましょう」
スィン「……って、おい!誰か一人くらいツッコミしろよ!」
スィン一人を残し村へと入って行く一行…
舞「宜しいのですか?」
アリル「い-の、い-の。何時もの事でしょ」
ポチリーナ「そうでちゅ。放って置くでちゅ」
シヴィル「放置ぷれいかぉ?」
剣「シヴィル!何処でそんな言葉憶えたんだ!」
シヴィル「ざうの本だお。どういう意味なのら?」
剣「知らなくていい!あの団長は何を子供の目の届く処に置いているんだか…帰ったら神無さん達に報告だな」
スィン「おぅ-い…(ポン)ん?」ぱふ「がう…」
スィン「ぃゃ、お前に慰められるのも人として、どうかと…」
ルリ「ぱふ-、行きますわよ-」
ぱふ「がう♪」
ユノ「スィンも早く来なさい…本当に置いていくわよ」
スィン「……待ってくれ-」

村長「遠い所をわざわざお越し頂き、誠に有難う御座居ます」
クラフル「いえ、お気になさらずに…」
ユノ「それで、舞台の設置場所なのですが…」
村長「はい、村の中央広場でお願いします」
剣「了解しました」

村の中央広場…
クラフル「さて、始めるとするかの」
一同「は-い!」
男性陣はテントと舞台の設営や舞台装置の調整、女性陣は飾り付けや衣裳合わせ等を始めた
―数時間後―
舞「皆様、休憩に致しましょう」
ティア「はい、お茶ですよ」
舞「剣兄様には、緑茶です」
剣「お、ありがとな」
スィン「ぷはぁ-っ…生き返るなぁ」
剣「まだ、仕事は残っているんだから、へばるなよ」
ポチリーナ「そんなに残っているんでちゅか?」
クラフル「まぁ、後は細々とした物なんだがの…ワシ等は残って作業するでの、先に宿に行って構わんぞ」
ルリ「では、お言葉に甘えさせて戴きますわ。私、何時迄も埃まみれで居たくありませんもの」
ユノ「はいはい…本当に大丈夫なの?」
剣「ああ、大丈夫だ」
スィン「じゃ皆、宿に行こうか!」
クラフル「何を寝呆けた事、言うておる?オヌシは居残り組じゃ」
スィン「ちっ…」
アミアン「本当、懲りない奴…」
アリル「何度痛い目にあっても懲りないんだから、ある意味凄いわ」
アミアン「真似したくないけどね」
剣「全くだ…」
一同「あははは!」

翌日、公演日…
舞台の上では、スポットライトに照らされ、ルリとユノがマイク(拡声魔法付)を使い司会進行役を務めていた
ユノ「皆様、本日は王立歌劇団出張公演にお越し頂き有難う御座居ます」
ルリ「団員達の素晴らしき演技をお見せ致しますわ」
ユノ「最初の演目はティアリース・アミアン・ポチリーナによる歌『幸せを掴む為に…』です」
一旦照明が消え、ティアリース達が登場した
ティア&アミアン&ポチ「♪シルフの囁き ウンディーネの微笑み ドライアードの喜び
さぁ笑いましょう この世に辛い事は多いけど 明日はきっとやってくる
さぁ立ち上がって 明日の光を掴みましょう
挫けずに 微笑みを絶やさないで
Go to the future 未来の輝き追い掛けて 夢を描き続けよう きっと夢は掴めるから
シルフの優しさ ウンディーネの清らかさ ドライアードの思いやり
さぁ涙を拭いて 今は辛く苦しくとも 必ず夜は明けるから
さぁ歩きだして 明日の光に向いましょう
諦めないで 未来を信じて
Get to the hope 希望の輝き掴む為 夢を追い続けよう きっと想いは叶うから
(間奏)
Go to the future 未来の輝き追い掛けて 夢を描き続けよう 夢を追い続けよう 幸せを掴む為に」
観客「わ---!」(パチパチパチ!)
演奏が終わるとティアリース達は退場し、ルリと交替する
ルリ「続きましては、ユノと黒豹のぱふによる曲芸を御披露致しますわ」
ユノとぱふが登場して…
ユノ「先ずは、軽く玉乗りから」
(SE=パシッ)床を鞭で叩くと…
ぱふ「がうっ」
一声吠えて、玉に乗りユノの周りを一周した後、ジャンプし、空中で回転して着地する
観客「お---!」
その後、様々な曲芸を披露する
ルリ「最後に、火の輪潜りです」
それを合図に、火の輪が5つ用意される
ユノ「はいっ」(SE=パシッ)
観客が固唾を飲む中、ぱふは走り出す。火の輪を次々とクリアし、最後の輪を潜ると…
観客「うわ---!」(パチパチパチ!)
ユノとぱふが一礼をして下がり…
ルリ「ご苦労様ですわ。次はクラフルと剣による演武ですわ」
クラフル「ハッ!」
剣「ヤッ!」
クラフルと剣がまるで戦っている様に舞っていると…
ティア「はいっ!」
アリル「トゥッ!」
ポチ「ちゅうっ!」
ティアリースとアリルとポチリーナが突如、演武する2人の上を飛び越えながら登場してきた
剣達と交差しながら、バク転をしたり、上空に放られた斧と刀の回転に合わせて、宙返りをする等の様々なアクロバティック芸を披露する
クラフル達の演武とティア達のアクロバティック芸が激しく展開された後…
クラフル&剣「せいっ!」
クラフルと剣が、互いの斧と刀を打ち合わし、ポ-ズを決め、その後で直立したアリルの上にティアリースが、更にその上にポチリーナが立ち、両手を広げて決める
ティア&アリル&ポチ「ハイッ!」
観客「ヒュ-ヒュ-!」
ユノ「突如の乱入でしたが、如何だったでしょうか?」
ルリ「名残惜しいですが、次で最後ですわ」
観客「え---っ!」
ユノ「舞さんによる…」
ルリ「『豊穣の神楽舞』ですわ」
舞台は暗くなり、雅楽が鳴り響く…
荘厳な雰囲気の中、スポットライトが舞を照らし出す
(SE=シャン、シャン)手に持った神楽鈴から鈴の音を響かせて舞っていく…
(SE=シャンッ!)一際高く鈴を鳴らして、神楽舞を終える舞。観客は暫く見とれていたが…
観客(パチパチパチパチパチパチ)
大きな拍手が鳴り響いた
ルリ「以上を持ちまして、全演目が終了致しましたわ」
ユノ「長らくのご静聴有難う御座いました」
舞台で一同が礼をする
観客「わ---!!」(パチパチパチパチパチパチパチパチパチ!)

公演が終わって、翌日…
村長「今回は誠に有難う御座いました。お陰様で、これで皆も作業に精が出せます」
クラフル「喜んで頂き、何より…」
舞「それでは、私達はこれで失礼致します」
村長「本当にお疲れ様でした」

公演を終えた彼らは、帰路の旅路についた。その先に更なる困難が待ち受けていると知らずに…次回「襲撃」刮目して待て!
ルリ「今日も目立てましたわ!司会も良いものですわね」
ユノ「楽しかったわね」
シヴィル「シヴィルは出番が少なかったお!」
ルリ「お--ほっほっほ--!」(子供相手に何、勝ち誇ってんだか…)

<続く>

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