『旅は道連れ世は情け』
第三話「真実」
(by 戦士 ヒュ-クスさん)

一行は山間の村を臨む場所へと出た
クラフル「あの村ですかな、ゼクス殿?」
ゼクス「はい、そうですじゃ」
ティアリース「ゼクスさんは、何故あの村に?」
ゼクス「若い頃にお世話になったのじゃが、それ以来行ってなくっての。それが、先日ふと行きたくなりましたのじゃ」
ティア「そうなんですか?」
クラフル「そろそろ着きますぞ」
その時、馬車の外を歩いてた剣達は…
剣「あの村か」
舞「閑かな村ですね」
剣「そうだな。良い村だ」
暫く馬車に揺れて村に辿り着いた
ゼクス「おぉ!懐かしい…あの頃のままだ」
シヴィル「よかっただぉ!」
スィン「可愛娘ちゃんいないかな?」
ユノ「懲りない人ね」
ルリ「学習能力がないのですわ」
ポチリーナ「あほでちゅ」
そんな会話をしていた一行を一人の老人が出迎える
村人「アクラダの村へようこそ。村長のアルクと申します。この様な辺鄙な所にどういったご用件でしょうか?」
ゼクス「実は…」
事情を話すと…
村長「そうでしたか…残念ながら先代は昨年亡くなっておりまして…」
ゼクス「そう…ですか…」
村長「まぁ、今日はもう遅いですから泊まって行って下さい。皆様もどうぞ」
クラフル「では、お言葉に甘えさせて…宜しいですかな、ゼクス殿?」
ゼクス「そうじゃな」
シヴィル「わ-い、だぉぅ」
アリル「今日は、ちゃんとしたベッドで寝れる!」
アミアン「保存食じゃない食事!」
ルリ「きちんとしたお風呂も、ですわ」
スィン「キラ-ン!」
そんなスィンの肩をガシッと掴むクラフルと剣…
クラフル「本当に懲りん奴だのぉ」
剣「まったく…皆、安心してくれ。しっかり捕まえておく」
舞「お願いします、剣兄様」
スィン「見逃してくれ-!」
村長「あの-?」
アリル「あ、気にしないで良いですから」

そんなこんなで、夜も更け…
ゼクス「う…む…」
?「…キ…テ…」
ゼクス「…?…」
ベッドから起き出し、外へ行こうとするゼクス老…
剣「ゼクスさん、何処へ?」
ゼクス「少し、外を歩いてきますじゃ」
剣「そうですか。あまり、遅くならないで下さい」
ゼクス「はい。それでは…」
ゼクス老が夜の村を散策していると、一人の少女が話掛けてきた
少女「あの、ゼクスさんですか?」
ゼクス「そうじゃが、君は?」
少女「あ、私は、ミリアお祖母ちゃんの孫で、シリルと言います。村長さん達と話ていたのを聞いて探していました」
ゼクス「ミリア…彼女は元気かの?」
シリル「それが…お祖母ちゃんは一月前に…。ゼクスさんに逢いたがってました」
ゼクス「そうじゃったか…。そうじゃ、これはミリアさんに渡そうと思ったんじゃが…君が貰ってくれんかの?」
そう言って、ゼクス老は首飾りをシリルに渡す
シリル「でも…」
ゼクス「構わんよ。その方が彼女も喜ぶだろうて」
シリル「そうですか。それでは遠慮なく…」
その後、暫くして別れ、宿に戻った

翌日…村長宅にて
ゼクス「あの、ミリアさんのお墓をお参りしたいんじゃが…」
村長「ミリア婆さんのお知り合いでしたか。そうですね、家族もなく、寂しいでしょうから喜びますよ」
ゼクス「家族がいない?」
村長「はい。先月亡くなられる迄、独身でした」
ゼクス「そんな…じゃ、昨夜の娘は…」
ポチリーナ「どうしたんでちゅか?」
ゼクス「実は…」と、昨夜の事を皆に話すゼクス老…
クラフル「それは…また、不思議な話だの」
村長「何でしたら、ミリア婆さんの家に行ってみますか?家具等は残ってますから何か解るかも知れませんよ」
ゼクス「そうですな」
剣「我々も行きましょう」
舞「何かお役に立てるかも知れませんし」
シヴィル「てつだうおぅ」
ゼクス「宜しくお願いしますじゃ」
ティア「任せて下さい!」

ミリアさん宅にて…
ゼクス「これは…」
スィン「何か見つかったか?」
ゼクス「この絵は、昔、ミリアさんに贈った物ですじゃ」
村長「そうですか、あなたが…彼女は最期まで大切にしていましたよ。しかし、こんな首飾りあったかなぁ?」
ゼクス「それが、昨夜の首飾りじゃ」
アリル「これがそうなんですか?」
剣「絵から出て実体化するとは…」
舞「余程、強く願っていたんでしょうね」
ゼクス「では、彼女は?」
舞「ゼクスさんと逢えた事で、想いが果たせたんでしょう。もう何も残っていませんね」
ゼクス「そうですか…良かった」
そう言うと、ゼクス老は涙をこぼしたのだった…

村の入口…
村長「それでは皆さん、お気を付けて」
一同「色々とお世話になりました」
ティア「ゼクスさん、それは?」
ゼクス「村長さんに話して、絵を貰って行く事にしました」
アミアン「それはきっと、ミリアさんも喜ぶと思うよ!」
クラフル「それではゼクスさん、乗合馬車の駅まで送りますぞ」
ゼクス「宜しくお願いしますじゃ」

乗合馬車の駅…
ゼクス「宜しかったら今度、ワシの家にも遊びに来て下され」
ルリ「ええ、ぜひ行きますわ」
ユノ「お元気で」
ゼクス「何から何まで、ありがとうですじゃ」
シヴィル「ばいばいだお!」

そして、再び旅路を進む一行であった…次回「宴」刮目して待て!
ティア「善い事した…のかな?」
アミアン「したんじゃない?」(皆もしよう、一日一善!)

<続く>

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