ウルの街の闇に踊る影、ウル組と零…これは彼等の知られざる物語…
《もうひとつの戦い》
(by 戯言士皐月)
歌劇団の宿舎にある食堂、その片隅のテ-ブルに神無が座っていた。耳に手を当て、そこから口元に何か黒い線が伸びている。
机に広げているのは地図…綺麗に区画分けされているそれは、どこかの居住区画のように見える。シグ(新しい出し物について団長と話し合っていて遅くなり、夜食を取りにきたのだ)は、彼女に話し掛けようとして止める。神無の声が聞こえたのだ…
神無「…。Bブロックでの全任務終了を確認しました。引き続きAブロックをお願いします」
シグは怪訝に思い背後に近付いた。どうも彼女は耳から口元に伸びている黒い線に向かって喋っているようだ。すると、耳には相手の声が入っているのか…興味本位で耳を澄ます…
アルト「Aブロックα-33目標物確保…次に向かう」
ケイ「はい神無さん。β-05から17、確保しました。次予定時刻まで待機します」
ルセル「δ地区…目標確に…きゃ(ぶつっ)」
舞「ルセルさん!?援護に向かいます…て…ぇ?き…(ぶつっ)」
神無「剣さん?舞さんは何時もの格好で?」
剣「あ…ああ、そうだ(内心動揺)」
神無「あれほど目立たない格好をと言ったのに…仕方ありません。剣さんは舞さんを確保後、一時離脱して下さい…スィンさん、聞いての通りです。回れますか?」
スィン「あぁ了解した」…シグの表情が険しくなる。どう聞いてもウルと零の共同作戦が展開されているようだ。しかもかなり苦戦しているらしい。彼の思いとは別に事態は進んでいく…
ラン「大変!θ22、予定時間より20分も早く動きだしたよ!周りの反応早い!ブッ飛ばしていい?」
神無「駄目です。今回無用の混乱を起こす訳にはいきません…ケイさん、空間跳躍使用を許可します。何としても確保を…スラストさん、警備部の魔力センサ-を3秒だけ誤魔化して下さい」
ケイ「はいっ!」
スラスト「あいよ」
アルト「任務完了だ。ルセルと舞を回収した剣と合流、現在区画外で待機している」
神無「ご苦労さまでした。…はい…全員の任務完遂、生還を確認。あと二日、頑張って下さい」
そう言うと耳に付けていた小さな塊を机に置き、振り返りもせず話し掛けてきた。
神無「気になりますか?」
シグ「俺が聞いていても良かったのか?」
神無「ええ、問題ありませんよ?」
シグ「一体何をしていたんだ?」
彼女は答えず、地図を片付けるとシグに微笑みかけてそのまま食堂を後にした…
――数日後――
帰ってきた一同を見てシグは唖然とする。彼等は揃って大量の書籍やポスタ-の入った大きな紙袋を持っていたのだ…
シグ「一体何をしていたんだ?…いやまぢで」
ルセル「私は…こんなことをする為にここに来たのではないのに…(疲」
神無「貴女の発明、たまには役に立ちますね」
シーナ「たまにではありません。いつも、役に立つのですわ…おほほほほぅっ(倒」
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