第16話『謎の呪術集団』

(by カイト)

時、王劇宿舎にて…

ケイに連れてこられたランは介抱が済みベットに寝かされている。

ルリ「伊達に図体がデカイだけじゃないわね。まるでゴキブリ並の生命力…死なずのランとはよく言ったものね…」

その隣には得体の知れないマユが置かれている。そう、それは瀕死の重傷を負ったニコである。蘇生能力に秀でた魔力を操るが、まだ幼いかな…自身の体力を越えた過負荷を与え過ぎると完全回復までマユ化してしまう。

今ニコは銀色に輝く菱形の水晶体の中にいた。それを見守るようにセラが横に…セラがニコを連れてきてくれたのだ。

ケイ「セラちゃん、ありがとう」
セラはニコを包むマユを見つめながらこくりと頷いた。少し寂しそうなセラ…

そしてもう一つ…
黄緑色の皮膚を持つ少女。ランとニコが救護した謎の少女も寝かされている。

ツルギ「よくはわからないが…その娘を中心に零が動いていたんじゃないか?」

ツルギは被災地に赴きレスキュ-活動中によく知る王劇団員を見掛ける。が、只ならぬその雰囲気が気になり後を追った。
それがスラストとスィン!それに対峙するランとニコに出会う。
そしてツルギは、ラン達を先に王劇に向かわせることで少女を守るべく零と交戦になったのだ。

ツルギ「おそらくランとニコは零に襲われたんだろ…スラストとスィン以外の誰かに」

現場でウルと零が敵対するとき…それは「守るもの」と「仕留めるもの」が重なるとき

ケイ「この娘はなぜ零の的に…依頼!?」

ツルギ「零が招集されるほどの依頼かあ」

零を動かしたクライアントが呪術集団であることを今はまだわからなかった。また謎の少女は呪術集団の企み魔導実験により産み出された魔物であることも…

ケイ「みんな聞いて!丘の神像が6体…破壊されました」

ルリ「なんですって!?」

ツルギ「爆破…謎の少女…失われた神像…呪術…零」時、呪術集団…

集団の長と思われるひとりの老いた魔導師が玉座に腰掛け、その周りを若き弟子達が膝をつく。

古くなった体を捨てるため新しい強い体を作り上げるべく魔導実験を繰り返していた。そして出来上がった最高傑作!それが黄緑色の皮膚をもつ少女体…。

が、体を入れ替えようとしたとき少女体は強い意志でそれを拒んだ。自らが作り出した最高傑作の脅威にさらされることになるのだ。
呪術集団では手に余る最高の傑作であり最初の失敗作!この消去に零を選ぶ。
そして万が一消去が失敗した場合でも、異界で飼えるよう異空間ゲ-ト〈幻想迷宮〉生成の妨げとなる神像の破壊も企てたのであった。

呪術集団討伐に当たるウル組・影の守護者。
その一方で、呪術集団と契約を交す零組。
そしてその契約から「守るウル」と「殺る零」が交戦した。

零が交した契約とは? ウルが立ち向かう先とは?そして、ケイの決意とは…。時、再び王劇宿舎…

ケイは考えていた…呪術集団の陰で零が動いている。あの少女を狙う理由はわからないが、神像が邪魔でならないのは呪術集団!神無も契約で動いていたのなら、やはりクライアントは呪術集団と考えて良さそうだ。
ケイは夢で知る地獄の足音を神無に伝えなきゃと思った

ケイ「零と会ってきます」

ツルギ「俺は迷宮探しに」

ルリ「あの娘は私とユノでみてるわ」

だが、今、呪術集団が生成した幻想迷宮をジェネレータにして物凄い勢いで異空間ゲ-トを逆流してくる恐るべき者達がいる。
迷宮に地獄が現れようとしていた…

<続く>

第15話
インターミッション:神無

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