インターミッション・サイド:アルト
(by 紫)
声「お-、アルト…ぼろぼろだな」声に振り向くと見知った顔が2つ。そちらを見るが、すぐ視線を戻す。
スラスト「…返事くらいしてくれ(溜息)」
アルト「何の用だ?」
視線を変えず進める。三人がいるのは街の中心に近い時計塔の上。ここからだと街の惨状が一目瞭然だ。
破壊の規模の割に人間への被害が少ないのが救いか。
アルトが向く方にスラストともう1人…スィンも目を向ける。
スラ「…どういう…積もり?」その声には押さえようもない怒気と僅かな殺気が籠もっていた。
アル「どう、とは?」続く
スラ「ふざけるなっ!だいたい今回の依頼は何だ?お前が勝手に受けてきて…詳細伏せてターゲット殺れの一言。それに付いてきゃそのターゲットはガキだわ影は動くわ!神無が別行動なのはいつもの事だが、あげくの果てにこの異変。どう説明つける?…もう一度聞く。どういう積もりだ?」
アルトの胸倉を掴み一気にまくしたてる。
アル「説明すれば納得するのか?」
スラ「場合によるね」
アル「なら無駄だな…お前達は納得しない。判っていて説明するのは無意味だ」
スラ「お前っ!」スラストから感じられる殺気が一気に膨れ上がる。
と、今まで黙っていたスィンが口を開く。
スィン「確かに俺達は綺麗事を言えるような立場にない。血で汚れすぎた。だがな、無意味に自分の周りの人間を、自分の住む街を破壊するまで落ちぶれた気はないぞ。この異変、一体何なのか…知っているなら教えてほしい。街の一住民として、だ」
言いながらアルトを掴んでいたスラストの手を静かに引き剥がす。
アル「これは異界が繋がる前触れだ…」
スラ「お前はぁっ!」再び掴み掛かろうとする彼女を押し留め、続ける。
スィン「何がしたいか知らないが要するに、街を護る気はない…と」
返事はない。それは即ち…
スィン「分かった。なら俺等も勝手にさせてもらう」
スラ「邪魔したら例えアルトでも容赦しないよ」
2人は眼下の街並に姿を消した…。確かに、この街の惨状は不本意ではある。しかし彼の目的の為なら些細なこと。彼が望むこと、それは…
アルト「もうすぐだからね。待ってて、シエル姉さん」静かに降り続く雨の中、いつまでも彼は空を見続けていた…
END OF INTERMISSION SIDE:"ZERO"
インターミッション:神無
インターミッション:セラ
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