「楽器の手入れ・フル-ト編」

(by ソルレヲン)

ミーミャ「マーシャ、なにやってるにゃ?」
マーシャ「楽器の手入れにゅ。今日はひとりでやるんだにゅ」
テ-ブルには確かに精密ドライバ-や綿棒などの道具が用意してある

ミーミャ「すごいにゃ、マーシャ!いつもルファに手伝ってもらっているのに偉いにゃ」
マーシャ「マーシャは一人前だから楽器の手入れも自分でするんだにゅ!」
胸を張って答えるマーシャを心配そうに見つめる人影が一つ

ルファ「本当に大丈夫かな?手伝ってあげたほうがいいような…けど、せっかくマーシャが頑張ろうとしているんだし…」
悩みながらルファは様子を見守っている

マーシャ「まずはこれにゅ」
ミーミャ「クリ-ニングペ-パ-にゃね。キ-の裏のタンポンの湿気をとる紙にゃ」
マーシャ「その通りにゅ。こうしてキ-で押さえるように挟んで…どうするんだったかにゅ?」
ミーミャ「引っ込抜けば拭き取れるにゃ!」
正解は数回軽くキ-を開閉させるである

マーシャ「にゅ?!紙が破れたにゅ!?」
ルファ「ああっ!?クリ-ニングペ-パ-は引き抜いちゃダメって前に教えたのに!」
頭を抱えるルファ。しかしそれに気付かない二人の作業はまだまだ続く

マーシャ「破れて張りついたのは後で取るにゅ。次はこれにゅ」
ミーミャ「精密ドライバ-にゃね!ひとりで分解するなんてすごすぎるにゃ!」
マーシャ「ネジを回して外すくらい簡単…にゅ?なんだかバネが危険にゅ」
分解の前にキ-を連動させるバネは外しましょう。下手をすると折れます

ミーミャ「やばそうだからやめたほうがいいにゃよ」
マーシャ「仕方ないにゅ。今日のところは勘弁するにゅ。かわりにこれにゅ」
ミーミャ「綿棒にゃね。隙間のホコリを掃除するんにゃ」
マーシャ「ピカピカにするにゅ」ルファ「さすがに隙間掃除は問題ないか。ん?クリ-ニングロッドなんか持って…まさか!?」
マーシャ「頭部管の微調整をするにゅ!」
ミーミャ「ロッドの線が息を吹き込む穴の真ん中にあえばオッケ-にゃ!」
マーシャ「ちょっと奥に寄ってるにゅ。こういうときは頭の先をゆるめて押し込むんだにゅ」
ミーミャ「行きすぎたにゃ」
マーシャ「それなら頭の先をねじればいいにゅ」
ミーミャ「戻しすぎにゃ」
行きすぎ戻しすぎを延々繰り返す二人。それはとうとう見かねたルファが声をかけるまで続いた

マーシャ「あ、ルファ」
ルファ「見てられないよ、もう。貸してごらんよ」
マーシャ「ぶぅ…」
渋々差し出すマーシャから楽器を受け取ると、ルファはてきぱきと整備をしていく。
ルファ「はい、できたよ」
ミーミャ「マーシャのフル-ト、ピカピカになったにゃ!」
マーシャ「やっぱりルファは頼りになるにゅ!」
喜ぶ二人を見ながら、一人前はまだ先だなとルファは胸の内で呟くのだった

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