『劇場の夜―王立歌劇団土産工房奮闘記―』
(by 戦士:ヒュ-クス)
劇場のとある一角に、今、緊迫した状況が忍び寄っていた
スラスト「ちょいとっ!新作販売開始は明日だよ!間に合うのかい!?」
シヴィル「ちょっと、厳しいかも…だお」
シーナ「でしたら、私が大量生産できる機械を造りましょうか?」
スィン「今更、言われてもなぁ…それと、あまり怪しげな物は造るなよ?」
シーナ「失敬ですわ!私の科学は怪しくなどありません!魔術の方が、格段に怪しいじゃないですか!」
スラスト「そこの二人っ!喧嘩してる暇あったら、手を動かしな!」
スィン・シーナ「はいぃぃぃっ!」
シグ「しっかし…何で、こんな締切ギリギリになったんだ?スケジュ-ルに余裕は持たせていた筈なんだが…」
スラスト「…確かに、そうだな」
タイロン「シグぅ-、それはねぇ…」
シグ「だぁっ!寄り掛かるな!…で、何でだ?」
タイロン「んもぅ、いけずぅ…似たようなタイプだからよ」
スラスト「似たようなタイプ?」
タイロン「期限一杯遊んで、最終日に慌てるタイプ…よ」
シグ・スラスト「あ-、なるほど(笑)」
シヴィル・スィン「う゛…」
タイロン「因みに、私は違うわよ」
スィン「何を言う…毎日毎日『シグぅ-』って、追い掛け回していた癖に」
タイロン「あうっ…」
スラスト「あ-、はいはい…で、作業の進行具合の方は、どんなもんだい?」
タイロン「後は、複製すれば完了よ」
シヴィル「それと、箱詰めと袋詰めだお」
スィン「だが、数が膨大だからなぁ」
シーナ「この人数では、手が足りません」
スラスト「…よし、あたしが何とかするよ。皆は、作業を進めといてくれ」
シグ「何とかって、どうするんだ?…まさか、分身して手伝うとか?」
スラスト「違うよ。まぁ、任せておきな」
スラストは、そう言って部屋を出て行った
暫くして、スラストは戻って来た
スラスト「お待たせ。手先が器用なのと、暇そうなのを連れてきたよ」
そう言って、舞・クラフル・フィアラ・ツルギ・オーバーを部屋に入れる
ツルギ・オーバー「『暇そう』言うなぁっ!」
シグ「フィアラまで…」
タイロン「…(チッ)」
フィアラ「えと…お兄ちゃん探してたら捕まっちゃった…」
舞「それで、私達は何をすれば宜しいのですか?」
クラフル「何かを手伝ってくれ…としか、聞いておらんでのぅ」
タイロン「明日発売する、土産物の準備を手伝って欲しいのよ」
シヴィル「こっちの複製は細かい作業だから、器用な人達にお願いするだお」
スィン「こっちは、箱詰めとかの単純作業だから、ツルギ達頼むな」
シーナ「皆様、宜しくお願い致します」
スラスト「よし…それじゃぁ、朝までに作業を終わすよっ!」
一同「応っ!」
東の空が白白明ける頃…
オーバー「…朝、だな」
ツルギ「あ、あぁ…朝だ」
シグ「…お、終わった…な」
クラフル「…なんとか、終わった…のぉ」
スィン「…うぅ、太陽が黄色い」
皆は、ヨレヨレになりながら作業を終えた
スラスト「皆、お疲れ!これでどうにか、販売開始に間に合うよ」
舞「つ、疲れましたぁ」
タイロン「まったく…徹夜は、美容の大敵なのに。あぁ、お肌が荒れちゃったじゃないの」
フィアラ「あ、私、目覚ましのお茶でも煎れてきますね」
スラスト「あぁ、頼むよ」
シグ「あ!フィアラ、俺は珈琲な」
フィアラ「はぁ-い」
作業終了の達成感と、充実感と、疲労感に浸っていると…
フィアラ「お待たせしましたぁ」お茶が運ばれて来た
舞「シヴィルちゃんとシーナさんもどうぞ…きゃあっ!」
スラスト「どうしたんだい!?」
舞「シ、シーナさんが倒れてます!」
オーバー「うおっ…シヴィルは、寝てるぞっ」
スラスト「何やら、静かだと思ったら…倒れてたんかいっ!?」
スィン「シヴィルにも、徹夜はきつかったよなぁ」
ツルギ「取り敢えず、二人を医務室に連れて行こう」
こうして、多大な犠牲を払いながらも無事、新作のお土産は販売される事となった
クラフル「修羅場…それは、人の限界に挑むが如し」
ツルギ「修羅場…それは、強者共が夢の跡」
シーナ「良い子の皆さんは、決して真似などなさりません様に…はぅぅっ(パタッ)」
スラスト「だぁっ!倒れるんだから、無理してナレ-ションするんじゃないよっ…たくっ、手間掛かるったらありゃしない」
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