『劇場の節分―壱之巻―』
作:戦士 ヒュ-クス
その日、俺は自分の運の無さを呪った
…ん?誰だって?…おっと、済まない。行き成り話始めても訳が解らないな…俺は、
神威 剣。王立歌劇団の団員だ
話を戻すが、その日は或る行事を王劇で行なう事になり、その配役を決めたんだが、
よりによって…
剣「またこの面子で、鬼役とはな」
ゼロ「籤引きで決まったんだ、諦めろ…『桃太郎…侍?』以来だな」
クラフル「運命かのぉ?」
スィン「俺達も居るんだがな?」
オーバー「全く…ツイてない」
舞台袖で、俺達がそんな話をしていると、団長が魔法拡声器―劇団内では、マイクと
呼称している―を手に舞台に立った
ザウエル[皆さん、今回もやります…東方の伝統イベントの一つを!]
団員一同「わぁぁぁっ!」
ザウ[今回はぁぁっ…節分の豆撒きだぁぁっ!]
一同「おぉぉっ!」
…大分、盛り上がってるな…気が重い。団長の事だ…何かしら企んでるだろうからな
ザウ[では、イベントの説明をします!先ずは…鬼役、お出でなさい!]
お呼びが掛かったな
クラフル「さて、行きますかな」
ゼロ「やれやれ…」
剣「何が起きるか…覚悟完了だ」
スィン「一丁、派手にいくか?」
オーバー「怪我しない程度に頑張るか」
俺達が舞台に進むと、団長は説明を再開した
ザウ[やる事は簡単!掛け声と一緒に、彼等鬼へ豆をぶつけるだけ!そして、掛け声
とは…]
そこで、俺達の真前に座っていた子供達―ニコ、マーシャ、ミーミャ、ポチリーナ、
シウ゛ィル―が、声を揃えて答える
子供達「「「「「鬼は外-!福は内-!」」」」」
ザウ[はい、ありがとう!…そして、イベントの目玉である、王劇特別ル-ル!]
案外、普通か…と、思っていた矢先に、これだ…
ザウ[鬼に最も多く豆を当てた人には…豪華賞品を贈呈だぁぁぁっ!]
一同「うぉぉぉっ!」
オーバー「俺達鬼側には、何にもないんすか?」
ザウ[見事、豆に一発も当らず逃げ切れれば、豪華賞品GET!但し、一番多く豆を当て
られた鬼役の人には、ペナルティとして、当てられた豆一つに付き1Gを減給します]
鬼ごっこかいっ!…しかも、ペナルティ有りか
スィン「げ…これ以上の減給は辛い」
ゼロ「本気で逃げるか…」
ティアリース「団長ぅ、質問で-す!」
ザウ[どうぞ、ティアリースさん!]
ティア「どうやって、当てた数を判別するんですか?」
ザウ[それはですね[サーナが説明するにゅる]…はい]
サーナが、マイク片手に団長の説明に割り込んできた
サーナも関わってるのか…碌な事にはならんな、きっと
サーナ[各自に配られる豆には、特殊な識別魔法が掛かっているにゅる]
はぁ…まぁた、変な魔法掛けたか?
サーナ[そこっ!『変な』言わないにゅる!]
剣「!」
ナレーションに突っ込むなよ(汗)
サーナ[説明続けるにゅる…HITした豆の数は大会本部に表示されるにゅる]
ザウ[戦闘方法は、各自に任せますが、範囲は王劇敷地内としますので、一歩でも外
に出たら失格となります]
戦闘って…しかし、範囲結構あるな…大丈夫か?
ザウ「まぁ、ちょっと広いかも知れませんが、大丈夫でしょう」
剣「……」
団長、あんたもか(汗)
ザウ[それでは、皆さん…節分の豆撒きを開始します!]
一同「わぁぁぁっ!」
団長が、開始を宣言すると、皆のボルテ-ジは最高潮に達した
スィン「俺達も、そろそろ逃げ出した方が良くないか?」
クラフル「そうさのぅ…皆、豆を構えとるしの」
オーバー「目なんか、獲物を狙う狩人みたいだし」
ゼロ「じゃ、散るとするか」
剣「あぁ…散っ!」
俺の掛け声と供に、各自思い思いの方向に散っていった
ルファ「福は内-、鬼は…って、もう鬼居ないし」
アミアン「追い掛けよう!」
シ-ナ「こんな事も有ろうかと…この『連射式回転豆発射銃』を造っておいたので
す…が、重いですね…誰か」そう言って、サーナは周りを見渡し、適当な人物を見付
けると…
サーナ「そこのオカマなドワ-フ、手伝って下さいな」
タイロン「オカマ言うな!…手伝うのは良いけど」
スラスト「よっしゃ!アタシ等も行くか」
舞「はい!(兄様、怪我等しないと良いのですが)」
ザウ「さて、いよいよ節分が始まりましたね…解説の憐さん」
憐「そうぢゃの…皆、楽しんでいるようぢゃ」
遂に幕を開けた、節分と云う名のサバイバルゲ-ム!
果たして、生き残るのは誰か?
この続きは次回の講釈にて!
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