【シャウラ改造計画】
by 女騎士グレイス-シャウラ改造計画三日前-

ようやく馴染めたシャウラ。しかし自分のことを全く話さないので団員から不思議な目で見られていた。
ある日の朝…

スラスト「墓参りぃ!?」
シャウラ「…本来なら団長に直接連絡したいが当の本人がいないから、ギリギリまで探したが…探した私が馬鹿だった…」
スラスト「いつ行くんだい?」
シャウラ「昼。何といおうと行く。三日前に出ないと間に合わない…スラストさん。
なぜこの日にこだわるか聞きたいだろ?…三日後が父上が死んだ日なんだ……」

シャウラ「それでは…」
何か色々な物を詰め込んだ漆黒のリュックを背負い剣を持ったシャウラは出ていこうとする。
スラストは呆然と見ていた。
シャウラがふと立ち止まり何かを思い出したかのように言った。

「…(やや早口)多分必要無いと思うが、私はエサランバルの南の自然豊かな国キルギルにいる。二週間位滞在の予定だ。
皆には宜しく伝えてくれ…(ややゆっくり)実は私、学校とやらに行ってないから字があまり書けないんだ…悪いな…それじゃあ…」

スラストはやれやれ…という感じでシャウラを見送った。
これがシャウラにとって最悪のお盆休みになることはまだ知らない。-シャウラ改造計画1日目-

三日かけてようやくキルギル国に着いたシャウラ。
彼女は花屋に入り、白ゆりの花束を買って出てきた。
しかし何となく感じていた。
…団員達が尾行している!?
シャウラは足早に西の方に向かった。

それをこっそり見ていた団員達。
ポチリーナ「あんなにイッパイきれいでチュネ」
オーバー「あいつが花束買うなんて驚きなんだけど」
舞「あの…ところで何で私たちこんな所まで?」
剣「何だ聞いてなかったのか」三日前の事だ....

ミーミャ「ねぇ今日は何して遊ぶ?」
マーシャ「何して遊ぼ-か?」
王劇の年少組が楽しそうにしていると、怪しい風が吹き気温が急激に下がる…そして何者かが姿を現わした。
「キャーー」と悲鳴が上がる。

黒ローブの男「恐ガルナ…歌劇団ノ子供達ダナ?コレヲオ前達ノリーダーニ渡シテクレナイカ?
大丈夫、オレハ ヘンナ真似ハシナイ…早クシテクレ…オレハコノ姿ヲ長ク保テナ‥イ…!」
とたんに男の姿は消え、手紙がその場に落ちた。

スィン「その手紙にシャウラのひざまずく場所に来いっと、
まあそう書いてあったってワケだ」
スラスト「そしてシャウラには気付かれないようにとね」

一行は町外れの山にむかった。
どうにかシャウラに追い付くと、獣道を抜けて開けた所に出た。
そこは崖で、眼下に川が見える。
ふち近くにぽつりと墓標あった。
シャウラはその墓前にひざまずき、白ゆりの花束を添える。

シャウラ「父上。約束どおり今日ここに着きました。あれから早いもので四百年になりますね」
シャウラは歌劇団に入ったことなど墓に向かって話した。
シャウラ「父上。生きてたらまた来ます。死の世界でもお大事に」
立ち上がってそう告げるとシャウラは去って行った。

−シャウラ改造計画の動機−

シャウラが墓標を去ってしばらく団員達は動かなかった。
彼らを待ち受ける者の気配はしない。
目配せをして踏み出そうとした瞬間、突然墓標から黒い影が姿を現わした!

黒のローブに濃紺のズボン、焦茶のブーツと手袋に茶色の魔道士の帽子。
突然の出現に驚く団員、気絶する子も…

黒ローブの男「ソコニ隠レテイルノハ ワカッツルゼ、歌劇団ノ ミナサン…オット、話サナクテモ ワカッテイル…ヨウコソ オレノ墓ニ…
オレノ名ハ‥‥“シャドルーク"…ソウ、シャウラハオレノ娘ダ。イツモ娘ガ世話ニナッテイル…」
子供達が騒ぐ
ポチリーナ「あー!いきなり出てきた奴デチュ―!」
シャドルーク「アア、アノ時ハ悪カッタ…オドロカセテゴメンヨ…
…シャウラモナ、昔‥トイッテモ幾百年前カ…ポチリーナトイッタカ?オ マエニ似テ明ルク喜怒哀楽ガ充実シテタンダガ…
オレノ妻…ヒューマンダガ…ガ死ンデ以来表情がホトンド消エタ……勘ガ優レテイルヤツハワカッタカモシレンガ…オレノ望ミヲカナエテクレ
オレハ シャウラノ笑顔ガミタイ…モウ一度ダケ女ラシイ姿ヲシタ、明ルイ シャウラヲ ミタイ…コレガ 心残リダ…
ソノ手紙ハ オ前達ヘノ 挑戦状デモアル!
期限ハ七日…デキナケレバ…ワカッテイルナ?」

シャドルークと名乗った男は一方的に喋りまくって消えた。
そう、これが七日間に及ぶシャウラ改造計画の幕開けだった。

シャウラ「何だそのオチは!?」

―続―

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