何故なんだ!! オニラテルマータを止めたのに、魔法の夢が消えない。一体どうしたというんだ? 誰かが同じ魔法を使っているというのか? ボクの魔法を関知して、同じ魔法を使えるようになった魔術師がいるのだろうか? いや、そんなはずはない。この魔法の開発にどれだけ時間を掛けたか知れない。それだけ精妙な力の言葉を選び、鍛え上げたものだ。一朝一夕で盗まれるような魔法じゃない。
となると、考えられるのは人々の恐怖だ。恐怖が恐怖を呼び、共鳴し、暴走し、本当に魔王に届いたのかも知れない。とすると、これは不味い事になる。まずは確かめなくては。
彼は魔界の情報を得るために、召喚魔法の研究を始めた。その間もアザーの悪夢は止むどころか拡大を続け、そのためかウルの街の上空には不気味な黒雲がわだかまり始めるのだった。
そして相変わらず探索隊は、広大な地下の廃墟、古代都市を虚しく彷徨っていた。その中の一人に、女戦士ミリエーヌの姿があった。
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