『女装狂詩曲:第三幕』

そして、気が付けば次々にこの衣装部屋に団員が押しかける。

ルリ「…ま、馬子にも衣装ですわね」

ラン「…見とれながら言っても意味が無いし、間違っているぞルリ……しかし、凄い変わり様だな」
ユノ「…え? 劇団の人なの?」

クラフル「ほほぅ…。シグ、中々似合ってますな」

ポチリーナ「…凄いでちゅ(汗)」

剣「…俺の国の女形に匹敵する程だな」

憐「たしかにのう」

神無「でしょう」

サーナ「シグって女だったにゅる!?」

ターマラ「…ふ、不潔です」

と、口々に勝手なことを言う。
だがそれも仕方ない。
元々、女性並みの綺麗な長髪に女性的な顔立ち、元傭兵とは思えない線の細い身体。
作り物の胸を入れ、化粧は今の流行りのメイク、髪をポニーテールにし、服装はチャイナドレス耳に光る涙のイヤリング……何処から見てもかなりイケている。
もしかしたら劇団のどの少女よりも美しいかも知れない。
そして声が自然と変わったように、シグは化粧によって完璧に女に化身していた。

シグ「…何故、何故なのよ?」
その恥じらいがまたドキリとさせる。

ザウ「いや、また見れるとは思わなかったよ、シギュン」

シグ「お願い、その名前で呼ばないで」

ルファ「なんですか、その、シギュンって?」

ザウ「昔ね、同じ様に変装する事があって、その時にシグの恋人が付けた名前(笑)」

シグ「ひどいザウエル! 二人だけの秘密を!」
そこへ。

ティア「連れて来ました…て、あら? 新人の方?」

アミアン「綺麗な人……ま、まさか」

フィアラ「…お兄ちゃん?」

ティア・アミ「って!?」

シグ「え゛…フィアラ? うわ---見るな---!!!」

一瞬にしてシグは兄に返ったのだった。

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