『旅は道連れ世は情け』
第五話「襲撃」
(by 戦士 ヒュ-クスさん)

山道を行く一行…
クラフル「本当にこの道で合っているのかのう?」
スィン「う-ん…でも、団長に貰った地図には、帰りはこっちのル-トを指示されているんだけど?」
クラフル「ふむ…しかし、何故わざわざ別ル-トなのかの?」
スィン「さぁ?団長には何か考えがあるんじゃないか?」
シヴィル「おなか減ったお-!」
ティアリース「そうね。そろそろお昼の時間だもんね」
剣「クラフル、休憩しよう」
クラフル「そうだの…そこの木陰にするかの」
馬車を木陰に停め、休憩する一行

剣「ちょっと、周りを見てくる」
舞「剣兄様、私も行きます」
アリル「いってらっしゃ-い」
アミアン「ついでに、獲物でも見つけて来てよ」
舞「承知しました」
山へと入っていく2人。暫くして戻って来た

ポチリーナ「お帰りなさいでちゅ」
剣「鹿が捕れたぞ」
ユノ「流石ね」
舞「これで、鹿鍋でも作りましょう」
シヴィル「ご-は-ん-!」
ルリ「全く、この子は…」
食事をすました一行は暫く休んだ後、再出発した

谷間を一時間程進んだ頃…
パラパラパラ…と、小石が落ちてきた
クラフル「ん?何事かの…」
谷の上に多数の人影が現れ、その内の一人が叫んだ
?「そこの馬車止まれ-ぃ!」
一同「何だ何だ?」
馬車の中にいた者も外に出る
スィン「山賊だ」

山賊A「頭ぁ-!女がいますぜぇ-!凄ぇ上玉だ!」
山賊頭「女子供は生かして捕まえろ!男共は殺せ!」
山賊B「へいっ!」
山賊頭「行くぞ!野郎共--!」
山賊達「うぉ--!」
山賊達が谷を駆け降り始めた
スィン「来るぞっ!」
剣「どうする?なるべくなら、生け捕りした方が良いと思うが…」
クラフル「そうだのぉ…」
シヴィル「シヴィルに任せるだお!一ヶ所に集めて欲しいのら」
クラフル「何か考えが有る様だの…うむ、それなら…剣とルリとティアリースが正面から牽制」
剣「承知」
ティア「は-い」
ルリ「お任せなさい」
クラフル「アリルとアミアンとポチリーナは左右の側面から追込み」
アリル「うん!」
アミアン「分かったよ」
ポチ「頑張るでちゅ」
クラフル「舞とスィンは後方から援護射撃」
舞「はい」
スィン「お-け-」
クラフル「ワシとユノ、ぱふはシヴィルの護衛じゃ」
ユノ「分かったわ」
ぱふ「がぉ-ん!」
シヴィル「皆、頑張ってだお!」
クラフル「作戦開始じゃ!」
一同「応---!」
今此処に、王劇遠征部隊vs山賊一党の戦いの火蓋が斬って落とされた!

剣「ハッ!『竜虎双牙』!」(SE=ドガガッ)
山賊「ぐえっ!」
剣「安心しろ…峰打だ」
ティア「剣さんは良いなぁ…っと(SE=キンッ)!峰打が出来…てっ(SE=バシッ)!」
ルリ「そうですわ…ねっ(SE=バシッ)!私達は両刃ですか…らっ(SE=キンッ)!」
山賊の攻撃を捌き、時々剣の腹で叩きながら、会話する2人

一方…
ポチ「スピ-ドなら負けないでちゅ!」
アミアン「ボクだって!」
(SE=シュバババッ)
山賊達「うぎゃぁぁ!」
張り合いながら、急所を突いて次々に気絶させるポチリーナとアミアン
アリル「うふふっ…私の美技に酔いなさい!」(SE=スパンッ)
山賊達「ぐはぁっ!」
美しく舞う様に繰り出されるアリルの攻撃に、見惚れながら倒される山賊達…
スィン「何か…援護射撃いらねぇんじゃないか?」
舞「そうですねぇ…でしたら、山賊頭さんの周辺を狙いましょう」
スィン「山賊に"さん"は、いらないと思うが…んじゃ、やるか!」
(SE=ヒュン!ヒュン!)舞とスィンは威嚇射撃をして、剣達を援護する

山賊C「頭ぁ…こいつら、無茶苦茶強ぇですぜぇ!」
山賊D「どうしやしょう?」
頭「えぇ-い、狼狽えるじゃねぇ!人数はこっちの方が多いんだ…負ける筈がねぇっ!」
(SE=トスッ)そこへ、ちょうど威嚇射撃の矢が飛んできたと同時に…
剣「おぅ-い、いい加減に降参したらどうだ-?」
山賊A「ひぃぃぃ!頭ぁぁ!」
頭「ちっ!…てめぇらっ!一番手柄を立てた奴には、好きな女をくれてやるっ!」
山賊達「!!!…うぉぉぉ-!」
雄叫びを上げる山賊達…

アミアン「何か勢いが増したよっ!」
ポチ「それに、目が血走ってるでちゅ!」
スィン「あぁ-、張り切っちゃってるよ(苦笑)」
クラフル「むぅ…シヴィル未だかの?」
シヴィル「お待たせだお!皆、離れてだお!」
何時の間にか、山賊達の背後に廻っていたシヴィル達
頭「ちぃっ…しゃらくせぇっ!殺っちまえっ!」
ユノ「させません!」(SE=パシィッ)
ユノが山賊の武器を鞭で叩き落とし、
ぱふ「ぐるるぅ」
ぱふが威嚇して、
クラフル「ふんっ!」(SE=パキィィン)クラフルが飛んできた矢を斧で叩き斬る
シヴィル「行くだお!」(SE=バシンッ)
手を地面に叩きつけると、山賊達の周りに描かれた錬成陣が、輝きだし、檻(車輪付)が錬成された
檻の中に閉じ込められた山賊達は…

山賊D「何じゃこりゃぁぁ!」
頭「出しやがれぇ!」
口々に騒ぎだす
ユノ「…煩い」
シヴィル「そうゆう時は…この『睡眠香』を嗅がせて、眠らせるのら」
剣「だが、途中で目を覚まさないか?」
シヴィル「大丈夫だお。この『覚醒香』を嗅がせない限り、何があっても起きないんだお!」
スィン「じゃ、とっとと眠らせて、気絶した奴らも放り込もう」
クラフル「そうだの。それで王宮に連行するかの」
ポチ「しかし、こいつら馬鹿でちゅね。降参勧告した時に、逃げれば良かったんでちゅ」
アリル「逃げられても困っちゃうけど…」
スィン「助平根性出したのが、運の尽き…だな」
アミアン「…それを、スィンが言う?」
スィン「何でだ?」
ルリ「普段、一番それを体現してるのがスィンだからですわ」
スィン「あ…」
舞「さて、皆さん。ウルの街迄もう少しです」
ティア「もう一踏張りですよ…それじゃ」
一同「しゅっぱ--つ」

山賊を無事捕獲した一行は、ウルの街に向けて歩を進める…次回「帰還」刮目して待て!
クラフル「今回は、真面目だのう?スィンよ」
スィン「フッ…これが、俺様の実力さ。これで俺にも、女性ファンが…(ブツブツ)」
ポチ「それは、無理じゃないでちゅか?」
クラフル「今迄が、あれ…じゃからのう」
ポチ「でちゅね」(ま、無理だろうね)

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