『王劇版!?桃太郎…侍? 第五幕』
(by 来刻龍弥)

シグ「……桃太郎は用心棒、青鬼はキジ、赤鬼は猿、黄鬼は犬と対峙しているようです……」
と、あまりの展開に付いていけないシグは棒読みになっていた

ザウエル「これではどうなるか解りませんね、解説のスラストさん」
スラスト「そうだな……って、もう復活したんかい!?」
ザウ「皆さん、良く聞いてください。この戦いの結果によって、後の話が変化します!」
観客『おお-!!』

シグ「……台本すり替えたのはその為か?」
ザウ「だって、面白くしたいではないですか(笑)」
スラ「いや、面白くならんし」

ザウ「さて、最初はキジの舞対青鬼の剣の対決!」
その言葉と共に舞と剣を残して、他の皆は一時舞台袖に消える

舞「……お兄様と仕合うのは久々ですね」
舞は弓を構える。矢には矢尻が付いてない

ツルギ「昔より、腕を上げたみたいだな……」
剣は木刀を構えた。居合の形を
ザウ「では……始め!」

ザウエルの合図と共に先に仕掛けたのは舞だった
舞の放つ矢に対して、剣は避けつつ間合いを詰める
そして己の射程距離に入り、一撃を放とうとしたが

ツルギ「止めだ……」
彼は構えを解いた
舞「どうして……?」
ツルギ「お前を傷付ける訳にはいかない……団長!俺の負けだ!」
舞「お兄様……」

ザウ「……あっさり終わってしまいましたね。しかも何故か雰囲気が良いです。皆さん、思いっきり冷やかして……」
シグ「スラスト」
パチン♪
ぷすっ♪……ぱた

スラ「今度こそ当分起きないようにした」
シグ「この馬鹿は止めようが無いな、まったく……」

スラスト「さて、次は猿のアリル対赤鬼ゼロの戦い……ファイト!」
ゼロ「本気で良いと台本に書いてあったからな。悪いが手加減はしないぞ」
アリル「望むところよ!」

先に仕掛けたのはゼロ。しかしアリルはゼロの繰り出す太刀筋を見極めながら、踊るようにして反撃する
ゼロ「……くっ、ならば」
ゼロが技を掛けようとした瞬間
アリル「ここ!」

誰もが決まったと思った。……だが
ゼロ「そこだ!」
アリルの技が発動する瞬間の隙を突き、彼女の喉元に木刀を突き付ける

ゼロが技を仕掛けようとしたのは実はフェイント……それにアリルは見事に騙されたのである

アリル「そ、そんな……」
ゼロは頬に汗を流し
ゼロ「危うかった……後一瞬、一瞬早かったら……俺が負けていたな」
と、呟いた

<第五幕、終了>
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