サ-ナの世界B(サナシェリル);-Chapter 2 『救いきれないもの』-

ここはサ-ナの部屋。
天使らしく天井には十字架を象った抽象画が描かれていて部屋は光に満ちており、女の子らしく可愛いぬいぐるみなんかも置いてある。何故かサーナダームのぬいぐるみ(手作り)まで置いてある。

此処までは皆の部屋の作りと殆んど変わらない、しかしサーナの部屋には他の誰も知らない地下室が有った。

古代呪文の魔導書、魔法薬を合成する為の道具一式、完全に魔法を反射する特殊な盾、などサーナの本当の私物が置かれていて、普段入り口は魔法でロックされている。
防音・耐久性は完璧で、実験や魔法が失敗してもバレない…らしい。

その晩、怪しげな魔道器に囲まれ、水平派(レベラーズ)のサーナと独立派(インデペンデンツ)主導者サナシェリルの姿があった…。

サナシェリル「…密偵の報告によると、次の新月の晩に長老派(プレスビテリアン)によるウルへの総攻撃が行われるらしい」

サ-ナ「そ、そんな…!! ついに恐れていた事態が起きてしまうのね…」

シェ「そこで…奴らの進軍中の所を我々も全軍を以ってが包囲し、撃つ!これは最初で最後の全面戦争となる予定だ。」

サナ「確に…奇襲を掛けて囲い込む形で集団戦闘に持ち込めば勝機はあるかもしれないわね…。それで私に協力を求めに来たの?」

戦乱の世は望まず、世界各地で自由な暮らしをしたいと渇望している『水平派』
通常のサーナダームや、力を持たないサナノイド達が集落で寄り添っているに過ぎず、実質的な戦闘能力はほぼ皆無である。
サーナは力を持たない水平派の皆に協力し、戦乱の世に終止符を打つ事を約束した。

今の所、長老派は主だった動きを見せておらず、全面的な武力衝突には到っていない。ウルに住む人々はサナノイドの存在にすら気付いていないのだ。しかし、この平穏な日々が破られてしまう日は刻々と近付いていたのであった…。

シェ「いや、違う。我々が黒サナ隊と戦っている間、長老派の本陣はほぼがら空きとなる筈だ。サーナにはその隙に長老を暗殺して来て頂きたい。…長老さえ倒せれば、この戦いは終る筈だ…」

サナ「…分かったわ。その代わりにもウルの国を守ってね…」

シェ「…我々はウルを守る為に戦うのではない、全ては長老を倒す為に戦うのだ。しかし我々では長老は倒せないし、サーナ1人では黒サナ隊の総攻撃は止められないだろうから…今回の事は単なる『妥協点』に過ぎないと思ってくれ」

サナ「…長老さえ倒せば、皆が昔みたいに楽しく暮らせるのかしら?」

シェ「…我々は新しい国を建て、平和な世界を作る。しかしだからと言って過去に帰れるというわけではないんだ…」

サナ「では今回の事は私にとっては…サナルーダの敵討ちに過ぎないのね…」

シェ「そう思いたいのならそう思えばいい。…次の新月の晩、また会おう…。」

長老派と独立派の全面戦争の行方は?そしてサーナの運命は? 破滅の刻は近付いているのか?
…物語は全て、次回へ続く…
#0 天使は夜舞い降りる
#1 守るべきもの
#3 お久しぶりとさようなら
#4 神々の黄昏
#E エピローグ
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