ウルフレンドから一切の光が失われてしまう新月の晩…世界が完全な闇に閉ざされる時が来たのだ…。
サ-ナの世界C(-Chapter 3 『お久しぶりとさようなら』-
…その晩、サーナは誰にも知られぬようにこっそりと歌劇団を抜け出した。
その手に誓剣と反魔法盾とを持って…。
-名も無き荒野-
サナシェリル「…いよいよ新月の晩だ。準備はいいな、サーナ」
サーナ「…ええ。…此処も直に戦場となるのね…」
サナ「…ああ。長老派の軍勢は間もなく来るだろうが…感傷に浸っている余裕はない!では長老の地下都市へと転送するぞ、『テレポ-ト』っ!」
-地下都市-
…やはりウル侵略の為に総力を割いたのか、街は殆んどもぬけの殻となっていた。
街に残る数匹のサナリッチを塵に還しながら長老の住まう神殿へと急ぐサーナ…。
と、神殿の入り口に見覚えのある姿が見え…サーナの足が止まる。
サーナ「…そんな…そんな…貴方は…サナル-ダ!」
目の前にいるのはサーナのかつての恋人にして、黒サナ隊の隊長サナル-ダ。
しかし、その目に生気は失われ…愕然とし立ち竦むサーナに無表情に漆黒の斧を振り下ろす!…避けきれずにサーナはその片翼を斬り落とされる!!
サーナ「くっ!! ネクロマンシーによるデュラハン化…長老の仕業ね…」
サーナが体制を立て直そうとしたその時、何処からとも無く長老の声が聞こえて来る。
長老「その通り。…サナル-ダは断頭台に載せる必要があったが、そのまま死なせて置くには勿体無くてのぅ。…儂は神殿の奥にいる。早く儂の元まで来て見せたまえ。サナル-ダを倒せるなら、だがのぅ…」
事実、不死化したサナルーダは余りにも強かった…。距離を置き、一切の躊躇いを持たずにギガマイトを詠唱するサーナ。呪文はサナルーダを直撃した…のだがかすり傷一つ負わせる事が出来ない。サーナに無慈悲にも鋭い一撃を次々と撃ち込む…。
…血しぶきが上がる…。
何とか致命傷は免れたもののサーナは深い傷を負い、後は血を流しながらもサナルーダから逃げ回るしかできなかった。
…しかしサナルーダはすぐにサーナをその射程に捉えてしまう。
…サナルーダが止めを刺そうと斧を振り上げた瞬間、サーナは振り向くとサナルーダを見つめて微笑んだ。
…そして二人の足元が眩い光に包まれる!
…サーナは逃げ回りながらも己の血で魔法陣を地に描いていたのだ。
サーナ「これで本当に…さよなら、ね…。〈禁呪〉…『マジックミサイル』っっ!!!」
魔法陣を媒介とし、全ての魔力を一度に光の矢として解き放つサーナの最強呪文…この至近距離では流石に避けきれず、サナルーダは一瞬たじろいだ。
…その一瞬の隙だけで、サーナには十分であった。
…その手に誓剣が煌めき…
-一閃-
サナルーダ「此処は…?…サーナ…、そうか、私は死んだのだ…」
体が崩れ落ち、土に還っていくサナルーダ。
サーナはその様子を振り返りすらせずに長老の神殿の中へと向かった…。
…to be continued…
#0 天使は夜舞い降りる
#1 守るべきもの
#2 救いきれないもの
#4 神々の黄昏
#E エピローグ
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